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JA7DPH(アマチュア無線局)は昭和40年8月八戸市にて開局しました。

Aoba-ku Sendai-city 989-3204 JAPAN
Loc:QM08 ITU:45 CQ:25 JCC:0601

National AGS 受信機

National AGS 受信機


【 以下、JA1XF/芳野先生/電通大名誉教授の解説記による。】
 1927年5月20日から21日にかけて、24歳のリンドバーグ(Charles Lindbergh)がライアンNYP長距離機スピリットオブセントルイス号を用いて、搭載無線機も無い時代に単独飛行でニューヨーク〜パリ間 5,809kmを 33時間 40分で翔破した。
 このときは、搭載用無線機は無かったが、その飛行機の行方を地上で監視し連絡を保つ試みがなされた。そのとき米国側で使われたのが、同型機でここに展示するNational社の高周波1段、直接検波式1926年NBS(SW-5)受信機であった。
 National社は1924年創業であるが、1928年高い技術を持った部品メーカーのJames Millen社と合併し、Millenの助けにより技術と信頼性が飛躍的に改善された。
 リンドバーグの成功後急速な航空路の発展に合わせて、対空地上局の強化が必要となり、1932年6月、National社は通信用受信機の詩作に成功し、米国商務省の支持の元に航空路地上サービス用 (Airline Ground Service-AGS) と銘打って1932年〜33年に市販され、34年にはクリスタルフィルターを加えてAGS-Xが販売された。
 AGSには多くの改良が加えられ幾つかのモデルがあるが、ここに展示したのは version3 または4で、プラグインコイルまでが完全にそろったモデルは今日では殆ど存在するものは無く、歴史的にも極めて貴重な展示品である。
 受信機は9球で、高周波1・中間周波2・低周波2段のスーパーヘテロダインで、受信周波数帯域は 1.5MHz〜20MHzを 5バンドにわけ、それぞれ高周波・ミキサー・局部発信段の専用のプラグインコイルを周波数毎に差し替えて受信する。世界最初の航空通信専用機器である。
 (JA1XF/芳野先生から直接お話を聞くことが出来ました。)

【 所蔵:電通大/UECコミュニケーションミュージアム


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