この受信機は、昭和30年代の初期、ST管の時代からMT管に移る狭間期に開発・製造されたものです。ST管からMT管に移行する間には、短期間でしたがGT管も存在していました。本機にも、GT管が1本整流管として使われています。 また、八戸市は米軍三沢基地が近かったこともあり、米軍払下げのジャンク無線機があちこちの「ラジオ店」の店頭に並んでいました。 その中には、軍事用として開発されたのでしょうか、堅牢なメタルチューブ(GT管)もジャンク品として、流通していました。 【HE-10の定格】※単位は昔風に c(サイクル) @ 周波数帯 A;550〜1,600 kc B;1.6〜4.8 Mc C;4.8〜14.5 Mc D;11〜30 Mc A 中間周波数 455kc B 感 度 13μV (10McにてS/N20dbの入力) C 選択度 -60db (1Mcにて±10kc 離調時) D 出力電力 1.5W E 消費電力 50VA、50c/sまたは60c/s F 使用真空管(9球) 6BD6(高周波増幅)、6BE6(混合)、6BE6(局部発信)、 6BD6×2(中間周波増幅)、6AV6(検波、低周波増幅)、 6AQ5(ANL、BFO)、6AR6(出力)、5Y3(整流) G 大きさ 横385×高さ200×奥行235mm H 重量 8.8Kg